repertorio

Invierno Porteño(ブエノスアイレスの冬)

アストル・ピアソラ作曲。
「ブエノスアイレスの四季」のシリーズからの1曲。
ピアソラの代表作である「四季シリーズ」は最初から組曲として発表されたわけではなく、1965年にA.R.ムニョスの演劇「Melenita de Oro(金の垂れ髪)」のために「ブエノスアイレスの夏」が先行して作曲されました。
ピアソラはこの劇中音楽の録音が控えていることを前日まで忘れており、大慌てで一晩で書き上げたのが「夏」でしたが、結果的にこの曲は評判となりました。
その後スランプによるブランクを経て、「四季シリーズ」の構想がまとまったピアソラは、1969年のアルバム『アディオス・ノニーノ』に「ブエノスアイレスの秋」を収録、同年末から始まったレジーナ劇場での半年間のロングラン・リサイタルで残る「春」と「冬」を発表しました。
このリサイタルの模様は翌1970年に、タンゴでは初のライブ録音となる名盤『レジーナ劇場のアストル・ピアソラ』に収録され、当時の熱気あふれる演奏を聴くことができます。

「ブエノスアイレスの冬」は同一のテーマがリズムの変化や転調、変奏を伴いながら繰り返され、次第に発展していくピアソラの巧みな作曲手腕が光る名曲。
底冷えのする石畳の街路を思い起こさせるもの悲しいメロディですが、エンディングでは一転しヴィヴァルディへのオマージュを感じさせるバロック音楽風の明るい雰囲気で静かに幕を閉じます。

※この作品は特別編成の五重奏でピアソラの原曲に近い形で演奏します。

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