1923年、カトゥロ・カスティージョ作曲。
オルガニートとは手回しハンドルで演奏する小型オルガン(というよりオルゴールに近いもの)で、20世紀初頭くらいまでのブエノスアイレスの下町では、これを流して歩く大道芸がよく聞かれたようです。こういったオルガニートは人気のタンゴのメロディも取り上げており、タンゴが人々に知られるきっかけにもなりました。
『貧しい老人がのろい足どりに合わせて、場末にメロディをばらまく、割れたガラスのコンサート、黄昏のオルガニート・・・』
このような美しい歌詞から始まるこの曲は、その後姿を消した恋人と恋敵を探す青年と老人の物語につながっていきます。
消え行く下町の情景とともに、ノスタルジックな世界を描き出した印象的な作品です。
※タンゴ・グレリオではトリオ編成で演奏されます。