1985年の映画『ガルデルの亡命』の挿入曲としてアストル・ピアソラ(Astor Piazzolla)が作曲。
『ガルデルの亡命(El exilio de Gardel)』はフェルナンド・E・ソラナス監督のアルゼンチン・フランス合作映画。軍事政権時代にアルゼンチンを逃れてパリに亡命していた人々の望郷の想いと葛藤を描いています。
パリに逃れていた芸術家たちは故郷を想って「ガルデルの亡命」というタイトルの演劇を上演することを目指すが、やがてアルゼンチンの仲間からの便りも途絶えその完成は危ぶまれる…というストーリー。1976年~1983年の軍事政権時代はアルゼンチンの文化に暗い影を落とし、音楽家、作家などの亡命があいつぎました。
この「アウセンシアス」に漂うやるせないムードも、そういった当時のアルゼンチンの閉塞した雰囲気を反映しているようです。
ピアソラは同じソラナス監督の『スール その先は…愛』『ラテンアメリカ 光と影の詩』にも楽曲を提供しています。