1919年、エドゥアルド・アローラス(Eduardo Arolas)作曲。
アローラスは『バンドネオンの虎(El Tigre del Bandoneón)』とあだなされた名バンドネオン奏者・作曲家。当時としては革新的なバンドネオンの技巧を生み出し、後の演奏家にも大きな影響を与えました。残念ながら乱れた生活が災いして32歳の若さで病死してしまいます。
『エル・マルネ』というタイトルは第一次世界大戦でフランス軍がドイツ軍を撃退した激戦地の名前(1914年マルヌの戦い)のスペイン語読みで、フランス系アルゼンチン人であるアローラスが第一次世界大戦の終戦を祝って作曲したもの。戦争が題材だけに悲しみに満ちた旋律から始まりますが、途中勝利の凱旋を思わせる部分も出てきます。