不世出のタンゴ歌手、カルロス・ガルデル(Carlos Gardel)が1935年に作曲、アルフレド・レ・ペラ(Alfredo Le Pera)が作詞したアルゼンチンタンゴを代表する名曲。
この曲はガルデルの主演映画「タンゴ・バー」の挿入歌として作曲されました。(ただしこの映画の主題歌はArrebal Amargoという曲です)
タイトルは日本語に意訳すると「首の差で」というちょっと変わった意味になります。
これは「競馬で首ひとつの差でレースに負けてしまった」というようなニュアンスになりますが、そこに引っかけて一人の女をめぐる恋のさや当てに敗れた男の無念の気持ちが歌われています。
ガルデルは楽譜を書けなかったため、深夜にこの曲のアイデアがひらめいたとき、電話で映画の音楽監督をたたき起こしてメロディを書き留めさせたというエピソードが残っています。
アルゼンチンタンゴを代表する作品の一つで映画で使われた例も多く、アル・パチーノ主演の「セント・オブ・ウーマン」でのダンス・シーンが有名です。
スピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」でもドイツ人将校たちのパーティーのシーンで印象的に使われていました。
ちょっと変わったところでは映画「トゥルー・ライズ」でもアーノルド・シュワルツェネッガーがこの曲で少し踊っています。