1975年、アストル・ピアソラ(Astor Piazzolla)作曲。
フランスの映画監督ナディーヌ・トランティニャンの映画「新婚旅行(Le Voyage de noces)」のサウンドトラックとして作曲された作品で、前期五重奏団のバイオリニスト、アントニオ・アグリとピアソラの2重奏として作曲されています。
監督直々にピアソラに依頼があって手がけられた作品でしたが、どういうわけかピアソラの音楽は使用されず、実際に映画で使用されたのは「シェルブールの雨傘」で有名なミシェル・ルグランらの音楽でした。
映画では使用されませんでしたが、捨てるには惜しい出来だったのか、ピアソラは後にこのサウンドトラックをまとめてレコードをリリースしました。
「新婚旅行での不倫の告白」という内容の映画だったためか、タイトルとは裏腹にアンニュイな雰囲気の漂う作品となっています。
ピアソラにはこの手の話が時おりあり、ベルナルド・ベルトルッチ監督の「ラスト・タンゴ・イン・パリ」のための作曲依頼も立ち消えになり、その腹いせ(?)に「ジャンヌとポール」「終わりから2番目」という作品を発表しています。
※タンゴ・グレリオではバイオリンまたはフルートとバンドネオンとのデュオで演奏されます。